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町の食の魅力をファーストクラスのシェフが発掘 世羅の魅力づくりにJALとタッグ「食べると、世羅が全部はいっている」

広島県世羅町で新たな魅力を作りだそうという取り組みが始まりました。タッグを組んだのは、日本の航空会社です。

「皮を焼いて。この状態でもう8割から9割、ひっくり返したらほんのちょっと焼く。じゃっかん焦げてもいいぐらいの気持ちで」「わかりました」

世羅町にある、せらワイナリーです。世羅の観光といえば一面の花畑や果物狩りなどが有名です。しかし、冬場のこの時期は特に、観光の目玉がなく、客足が遠のいていたそうです。

せらワイナリー 畠康晴 施設長
「冬場にお越しいただく要素がなくて…料理! 『世羅町に料理を食べに行こう』と来店動機やら世羅町に来る動機になるようなメニューを一緒に作ろうではないかと」

世羅町の観光協会や農協などとタッグを組んだのは、日本航空です。

JALのシェフ・塚原淳 さんです。国際線のファーストクラスで提供される機内食を手がけています。9月、世羅町の生産者を一軒一軒回り、フルーツや野菜、肉やきのこなど世羅産の食材にこだわったメインディッシュや、デザートなど7種類のレシピを考えました。

JALロイヤルケータリング 塚原淳 シェフ
「ひとつはローストビーフ丼。それを食べると世羅が全部はいっている。お米、みのり牛、松きのこ…」

このレシピを元に料理をするのは、せらワイナリーのレストランチーフ・渋川祐樹 さんです。

せらワイナリー 渋川祐樹 レストランチーフ
「プレッシャーはあります。今回、いい機会なので自分の力になっていけば」

この日から3日間、レストランを休業して、塚原さんは渋川さんへつきっきりで調理を指導しました。

「フランベルジュして…アルコールを飛ばす」「はい」
「デグラッセは、うまみに水分加えて、うまみを取る…」

ふだんは和食を調理している渋川さん…。洋食やデザートの経験はあまりなく、聞き慣れない言葉や新しい技術に苦労していました。

塚原淳 シェフ
「ラップしないとクリームは、いろんな(食材の)匂いを吸ってしまう」

渋川祐樹 レストランチーフ
「ブイヨンだったりフォンドボーだったり、私はふだん使わない。イチから教えていただいて…すごい繊細な仕事」

塚原さんが指導するのは、レシピの調理方法だけではありません。『あらかじめソースの下地をつくっておいて、最後に仕上げを…』。効率的な調理も教えていました。

塚原淳 シェフ
「営業やりながら仕込みもやっていかなきゃいけない、お客様に提供する時になるべく手をかけないで出せるように」

「肉をすこし押さえつけてターナーある?」
「ターナーがわからない…」
「ヘラみたいなもの」
「(お好み焼きのヘラ)こういうのは?」
「それでいい!」

塚原さんは、世羅の食材の品質の高さに驚いていました。なかでも絶賛したのは、地元で生産されている「松きのこ」と「松なめこ」です。

塚原淳 シェフ
「(松なめこを)今回は炒めて使う。ふつうは炒めない。どんな料理にしてもおいしい」

渋川祐樹 レストランチーフ
「(肉の焼き加減)いい色です」

塚原淳 シェフ
「(花を飾る)エディブルフラワーなんで食べられます」

鶏肉のソテーが完成しました。

渋川祐樹 レストランチーフ
「ソースですね。松きのこ、松なめこ。キノコの味がしっかり出てて、とてもマッチしておいしい。

JALロイヤルケータリング 塚原淳 シェフ
「四苦八苦してたけど、まだ日にちもあります。練習して、慣れて、お客さんが喜んでいただけるお料理仕上げていただければ」

せらワイナリー 渋川祐樹 レストランチーフ
「世羅の魅力をここが看板になれるように、インパクトのある料理ができれば。やります!がんばります」

来月の中旬食材の生産者や関係者へのお披露目を予定しています。

  ◇  ◇  ◇

田村友里 キャスター
「以前、取材で松きのこを食べたことがありますが、香り豊かでおいしくて感動しました。世羅には、きのこ以外にもおいしい食材がたくさんあるので、おいしい料理に生まれ変わることで、料理を食べに行きたくなる世羅町となればいいですね」

青山高治 キャスター
「せらワイナリーで世羅の食材を使った料理を食べてもらい、そこで食材を購入してもらって、世羅を盛り上げたいという。世羅が詰まったローストビーフ丼をただいま制作中とのこと。楽しみですね」

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