広島県三原市にある産業廃棄物の最終処分場で水質汚染が確認されたとして、県は廃棄物の搬入と埋め立てを中止するよう警告しました。
県によりますと、三原市の本郷最終処分場で先月23日に採取した水の成分を検査した結果、1か所の浸透水で有機汚濁を示すBODの値が、基準値(20mg/L)の7.5倍検出されたということです。今月8日に判明し、県は事業者に結果を伝えました。
去年以降、基準値を超えるのは3回目で、県に「極めて重大かつ深刻に受け止めている」として、11日、事業者に対し速やかに廃棄物の搬入や埋め立てを中止し、生活環境の保全上必要な措置を講じるとともに、原因究明をするよう警告しました。事業者は、即日応じています。これで、本郷処分場に対する県の行政指導は4回目になります。
一方、今回の検査では、処分場下流の水路からも、1リットルあたり20ミリグラムを超えるBOD(27mg/L)が検出されました。周辺住民は、農業への影響を懸念して県に苦情を訴えていますが、県によりますと、水路では、BODの基準値がないために、行政指導の対象にはならないということです。
同じく有機汚濁を示すCODについては、農業用水質基準が6mg/Lとされていて、今回の検査ではそれを超過する10mg/Lが検出されています。しかし、県によりますと、この基準は「望ましい水準としての参考値」ではあるものの、「法的な基準ではない」ということです。
この処分場をめぐっては、2020年に、住民が県に設置許可の取り消しを求めて提訴。去年7月の広島地裁判決では、広島県に設置許可の取り消しが命じられましたが、県は判決を不服として広島高裁に控訴していて、今も訴訟が続いています。次の審理は11月15日に開かれます。
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