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【RCC東京通信】「おめでとう」では終われない ノーベル平和賞の日本被団協 運動の継承こそが大事

RCC東京支社報道制作部長が東京での取材メモを配信します。
広島の記者が東京で感じたコト。また東京から見た広島とは。

日本被団協の田中熙巳代表委員 長崎被爆 92歳

「(核兵器廃絶は)被爆者の課題ではなく人類の課題、市民の課題」

「みなさん全員が被害者候補」

ノーベル平和賞の受賞が決まったことを受けての会見で、日本被団協の田中熙巳代表委員はともに運動することを呼びかけた。

裏返して言えば被団協の運動は必ずしも共感は得られていないという思いがある。

核兵器禁止条約に日本が参加しないことも国民は認めているし、核保有国の国民も国の指導者が核兵器を持つことを許していると指摘した。

いかに自分事としてとらえ行動してもらうかに苦慮している胸中が忍ばれる。

やがて被爆者がいない時代が来る。

しかも今現在も被団協は担い手不足と財政難で苦境にある。

核廃絶だけでなく原爆被害者の救済、援護のため政府に働きかけるなど、長年先頭に立って戦ってきたのが被団協だ。

その基盤は脆弱になっている。

受賞の知らせがあった前日に開催された全国会議でも、都道府県の構成団体から活動維持への危機感を訴える声が相次いでいた。

私も被団協の皆さんが老体にむち打って活動する姿をたびたび見かけてきた。

「役割を被爆者にだけ担わせていていいのだろうか」

会見で発した、被爆者ではない被団協事務室長、工藤雅子さんの言葉が重く響いた。

ノーベル平和賞で評価された被団協の運動をどう引き継いでいくのか。

今回の受賞決定は問いかけているように思う。

受賞決定を受けての会見 10月12日 東京都千代田区

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