ここ数日、日本の周辺には台風や熱帯低気圧が複数存在していましたが、台風11号は南シナ海へ進んで一時猛烈な勢力となったあと大陸方面へと進んで行きました。台風12号は日本の東海上を北上して7日(土)にも温帯低気圧へと変わる見込みです。
また、日本の南の海上にあった熱帯低気圧は6日午後の解析で低圧部へと変わりました。熱帯低気圧よりも低気圧性の循環が明瞭でないため低圧部になったとみられます。
気象庁の週間予報支援図をみると、この低圧部はこのあと沖縄の周辺へと進みますが、その後は不明瞭となるようです。
この1週間ほどは複数の“台風の卵”となるかもしれない雲域が日本周辺にいくつもありましたが、どれも最終的には日本列島に大きな影響を与えることなく終わりそうです。
来週は前半を中心に夏の高気圧の勢力が日本列島付近で強まる予想です。西日本を中心に35℃以上の猛暑日に地点も出る予想です。厳しい残暑にご注意ください。
一方で、新たに少し気になる雲域も現れています。衛星画像を見ると日本の南の熱帯低気圧が低圧部となった雲域のさらに南東の赤道に近いエリアでは、新たに雲がまとまりつつあります。
7日(土)の予想天気図を見ると、日本のはるか南の海上でLマークが登場しています。
この雲域について海外予報機関では熱帯じょう乱(熱帯低気圧または台風)に発達させて北上させる予想も出ています。
アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)
アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。
6日(金)午後の時点で、日本のはるか南の海上の雲域について「95W」と表示され黄色い円で囲まれています。この雲域がJTWCの監視対象となったことを意味しています。
JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、**LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)**へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると台風の発生時期に近づいた目安となります。それぞれの意味は以下の通りです。
**LOW(黄):**監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
**MEDIUM(オレンジ):**今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
**HIGH(赤):**今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。この低圧部(95W)を発達させて日本付近へと北上させるデータも一部にはあります。
アンサンブル予想結果の9月14日9時の計算結果を見てみると、日本の南の海上に台風または熱帯低気圧とみられる熱帯じょう乱を北上させているデータも多くなっています。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパ中期予報センターでは、ある予想時刻の48時間以内に、その場所から300キロ以内に熱帯低気圧が通過する可能性を確率で公表しています。
9月15日(日)9時の予想を見ると、すごく高い確率というわけではありませんが、沖縄の南海上に熱帯じょう乱が進む可能性があることが示されています。
※最終的には気象庁から発表される熱帯低気圧や台風に関する情報を参考にしてください。
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