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暑すぎてプールができない 老朽化でプールを使えない どうなる学校のプール授業 民間委託には課題も

きょうも蒸し暑い1日ですが、夏休み前のこの時期に多くの小学校で実施されるのがプール授業です。ただそのプール授業はさまざまな課題を抱えているようです。

夏シーズンが到来し、県内各地でプール開きが始まっています。学校でもプール授業の時期ですが異変が起きています。

広島市の白島小学校です。朝早く先生が向かうのはプールです。

白島小学校 教諭
「天気・気温・水温・水質チェックです。安全に子どもたちが水泳の授業をできるかどうか周囲も確認する」

広島市の小学校では毎年6月から9月にプール授業を「10コマ」程度実施します。この時期は先生が当番制で、プールの状態を毎日、チェックしています。

Q. きょう一番心配なのは?
「暑いので暑さ指数のこともあって授業ができるかどうか…」

広島市は児童の熱中症防止のため、湿度や気温などから算出する「暑さ指数」が一定の基準を超えた場合は活動を中止にするよう定めています。

計測器をプールサイドに置いてみると、警告音が…。

白島小学校 教諭
「きょうは厳しいかも…」

この日のプール授業は中止になりました。このように猛暑によってプール授業をできない日は増えているといいます。

白島小学校 教諭
「1~2時間目はできても3~4時間目は暑さ指数が31℃を超えて水泳授業ができないこともある。雨で授業ができなくて、晴れたかなと思ったら今度は暑さ指数で水泳ができないので難しさを感じている」

プールの授業 児童が向かった先は…

授業時間の確保に教育現場は悩まされている中、こんな取り組みをする学校も…。

黄金山小学校 児童
「おはようございます」

黄金山小学校の児童が水泳の時間に向かったのはプール…ではなく、バスです。20分かけてやって来たのは民間のスポーツ施設です。

黄金山小学校では去年からこの場所でプール授業をしています。

インストラクター
「ゆっくりでいいから25m泳いで、歩いて帰ってきて」

指導するのは民間のインストラクターです。ほとんどの先生は、プールサイドから児童を見守ります。

インストラクター
「開いて閉じましょう。曲げて閉じましょう。閉じること、大事ね。閉じたときに進んでいくからね。そのままいこう。シュッと伸びてね」

5年生担任教諭
「専門的なところを教えてもらえて細かい点も児童にわかりやすく伝えてくれてありがたい」

屋内プールのため猛暑や雨の心配は不要です。

黄金山小学校 教頭
「授業計画を進めやすいので助かる」

プールの老朽化が深刻な課題に…

黄金山小学校はなぜ民間施設でプール授業をしているのでしょうか?

黄金山小学校 教頭
「側面からひびが入っていて床もひびとズレが生じている状態。水を張っても抜けていく…」

黄金山小学校のプールは2022年に地盤沈下が原因で水槽にひび割れが生じ、今も使えない状態です。

広島市ではプールの老朽化が深刻な問題となっています。プールは市内の公立小中学校200校に設置されています。このうち過半数が築40年を超えていて、今後、更新の時期が重なります。

200校全てのプールを改築した場合、およそ460億円の財政負担が見込まれていて、1校あたり2億3000万円かかる計算です。

市教委は改修よりも負担が軽減されるプール授業の民間委託について検討を進めていて、黄金山小学校はそのモデルケースになっています。

黄金山小学校 教頭
「すごく助かる。一般的に学校でプール授業をすると教諭の数が制限されるので誰が中に入る?誰が上から見る?その確保はどうする?と考えたとき、ここだとインストラクターが中に入ってくれる。よりたくさんの目で見ることができるのは、ここでやっている意味が大きい」

プールの水質チェックやバスの送迎なども施設側に委託することで、先生たちの負担軽減にもつながっているといいます。

黄金山小学校 教頭
「本校のプールが使えない状況だが水泳の授業を続けていく必要はあると思うので、できれば続けさせてもらいたい」

「施設の老朽化」や「天候リスク」…。学校のプール授業は今、さまざまな課題に直面しています。

プール授業の民営化 メリットの一方で課題も…

プール授業の民間委託ですが、財政負担がおよそ年間200万円で、天候リスク回避や教諭の負担軽減などの面でメリットがある一方で課題もあります。

バスでの移動時間も授業時間としてカウントされるため、学校の近くに民間や公営プールがない場合は適用が難しくなります。また受け入れ可能な施設には限りがあり、民間施設の場合は一般の利用もあるので、黄金山小学校の場合は施設の休館日に授業対応してもらっています。

広島市教育委員会は基本的には既存の学校プールを維持・管理しながら、ケースバイケースで民間委託を検討していくとしています。

夏休みのプール開放ですが広島市によりますと市立小学校140校のうちコロナ前は100校程度がプール開放をしていましたが、2024年は12校の実施に留まっています。

保護者などの負担が大きく、監視員が集まらない▽猛暑による暑さ指数の基準超えでプールが実施できない──などが理由として挙げられます。

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