広島を代表する味覚「カキ」の水揚げは、平年より1ヶ月遅い11月2日の解禁です。大量死が問題となった養殖のカキですが、ことしも厳しい状況が続いているようです。
呉市安浦町に広がる三津口湾には、多くのカキいかだが浮かんでいます。 水揚げ解禁を前に、特別に引き上げてもらいました。

新名水産 新名剛敏さん
「去年の大量死の時に死んでいる。残念ながら、いつも通りの量ではない」
昨シーズン出荷量は2割 苦肉の策として・・・
通常の養殖カキは、1年から2年近くかけじっくり育てます。 引き上げたのは、去年3月から育ててきたものでした。
昨シーズン出荷できたカキは、例年の2割にとどまりました。 その影響をうけ、ことし出荷する分も苦境が続いています。

大量死の被害を受けた「苦肉の策」として、去年11月に仕込んだカキです。 ひと回り小ぶりですが、来年2月以降に出荷できる見込みです。
「10月が一番しんどい」 へい死も年々増加
実は、去年もことしも死んでいるカキが多く確認されたのは、10月に入って間もない時期でした。
新名水産 新名剛敏さん
「カキ自体10月が一番しんどい。夏の産卵が終わり高水温が続く。人間ならお産が終わった状態。我々は自然死と呼んでいるが、度合いの問題」

毎年一定のへい死はありますが、その割合が年々増えているといいます。ここ数年、身入りのタイミングも遅れています。
新名さんは、解禁の2日ではなく、中旬をめどに水揚げをスタート。 カキが食べられるバーベキュー場もリニューアルしました。 年明け以降の盛り返しに期待を寄せています。
カキの生産量は前年4割減 打開策がない?

広島県水産課によりますと、カキの生産量は、前の年から4割減って約1万トンに落ち込みました。 ことしは1万7000トンを目指していますが、序盤は厳しいスタートとなります。
夏の高水温や高塩分など複合的な要因が絡み、これという決定打がない分、打開策をすぐ導き出せない難しさがあります。
年間を通せば広島のカキが全国トップのシェアであることには変わりありませんが、ここ数年の動きが将来を大きく左右しそうです。
へい死対策の一つ カキの生育時期をずらす
新名さんがへい死対策の一つとしてあげたのが、カキを育てる時期をずらすことです。

通常のカキは、3月にいかだへ仕込み、翌年の秋に水揚げを迎えます。 そこで、仕込みを11月に遅らせることで、水揚げを2年後の春にずらし、厳しい夏の経験を1回で済ませる試みです。
ただ、水揚げを遅らせすぎると、全体の出荷サイクルが崩れて生産量の減少につながり、舵取りが難しくなるのも現状です。生産者の試行錯誤が続きます。





















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