秋の収穫期を迎えた野菜の産地では、夏の猛暑の爪痕が今も影を落としています。過酷さを増す気象から野菜を守ろうと、畑の畝(うね)の表面を覆うシート、農業用マルチをビニールから紙に変える新たな取り組みが始まっています。
末川徹気象予報士
「標高340m、広島県府中市上下町です。びっしりキャベツが並んでいます」

広さ15アールの畑でキャベツを栽培している谷脇正明(しょうみょう)さん。近年の異常気象による生育不良を食い止めるため、ことしは試験的に新たな資材を導入しました。
「たたいてもいい音」 仕上がり上々の背景
手際よく収穫されたキャベツはずっしりと重く、実が詰まった上々の仕上がりです。
かぜのせと 谷脇正明代表
「天気の影響で中身がスカスカになりやすい。そうしたこともなく、たたいてもいい音がする」

土に敷かれているのは、ビニールではなく紙。王子グループが開発した「サステナマルチ」です。触るとコピー用紙のようにさらさらしています。
地温を約5℃下げる・雑草が生えにくい効果も
水分が蒸発する際、まわりの熱を奪う「気化熱」を利用し、地面の温度を5℃ほど下げる効果も出ています。
かぜのせと 谷脇正明代表
「厚みが割とあって、しっかり保護して草が生えない。雑草を抜く・処理する手間が減って、作業効率も上がっている」

一般的に使われているプラスチック製マルチと違い、収穫後に回収する必要がありません。自然に土へ還って、肥料となります。
中東情勢のナフサ不足 売り上げ3倍に
現在、広く使われている黒いビニールマルチは石油製品のナフサが原材料です。中東情勢の影響によるナフサ不足もあり、紙マルチの売り上げが前年の3倍に増えた月もあるといいます。
一方で、夏の暑さの余波なのか、虫食いの被害など全ての課題が解消されたわけではありません。

かぜのせと 谷脇正明代表
「安定的に生育させるには収穫のタイミングをみないといけない。マルチを変えたり、新しい肥料を使ったり、いろいろ挑戦しないといけない」




















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