広島県三次市で、有害鳥獣駆除班のメンバーが所有する猟犬3頭が民家の敷地内に侵入し、飼いネコをかみ殺す事故がありました。ネコを家族同然に扱ってきた飼い主が胸の内を語ってくれました。

事故があったのは三次市青河町の民家です。三次市などによりますと、17日午前9時半ごろ地元の駆除班15人がシカやイノシシを猟犬を使って追い込んで狩猟する「巻き狩り」をしていたところ、50代と40代のメンバーが管理する大型の猟犬3頭が民家の敷地内に侵入しました。

猟犬3頭は敷地内で飼われているネコ数匹を追いかけ、このうち大型の猟犬1頭が飼いネコ1匹をかみ殺したということです。

三次市農政課によりますと、県三次猟友会から推薦を受けたハンターでつくられる駆除班は市内に8班あり、市は駆除の許可を通年で出しています。17日は三次エリアを担当する駆除班のメンバー15人が参加し、猟犬7匹を連れて青河町内で駆除活動を行っていたということです。

『ギャーッ』そこには「夢にも思わなかった」無残な光景が

ネコの飼い主の女性(50代・Aさん)は28日、RCCの取材に当時の状況と現在の心境を語ってくれました。

Aさんが、異変に気が付いたのは17日(土)午前9時半ごろのことでした。自宅で20代の娘と一緒にいたところ、聞いた事のない異音が庭からしたと言います。

Aさん
「自宅の庭には、水はけが悪い箇所に一部鉄板を敷いています。その鉄板の上を動物が爪を立てて駆け回るような、『ガチャガチャガチャガチャガチャーッ』という音が聞こえてきたんです」

庭に出たAさんと娘はすぐに異変に気が付きました。

Aさん
「自宅の庭では8匹のネコを飼っていました。全て保護をして家族に迎えたネコたちで、手術を受けさせて去勢も避妊も終えたネコばかりです。その日もわずか5~6分前には、陽が当たる場所でいつも通りひなたぼっこをするネコたちの姿を確認していました」

そのネコたちの姿が1匹残らず消えていたのです。何が起きているのか…急な不安に襲われたAさんと娘が目にしたのは、Aさんが「夢にも思わなかった」無残な光景でした。

Aさん
「庭の駐車場のあたりから『ジャーッ』という叫び声のような鳴声が聞こえました。駆け寄ってみると、そこにはクリーム色と茶色の大型犬2頭がいて、クリーム色の1頭の口元には、家族同様にかわいがっていたネコ1匹が咥えられていたのです」

「近くに行ったらだめーっ」猟犬との距離わずか1.5m

興奮状態のように見えたイヌ2頭。垂れたヨダレが、ぐったりとしたネコの体を濡らしていたことをAさんは覚えています。

「離れてーっ!」

イヌに向かって叫んだのはAさんの娘でした。近くにあった棒を握りしめてイヌから飼いネコを取り返そうと近づく娘を、Aさんは必死に止めようとしたといいます。

Aさん
「イヌと私たちとの距離は1.5mあったかというところでした。私は娘が興奮したイヌに襲われてしまうと考えると、恐くて仕方がありませんでした。なんとか娘を守らなければ。混乱した頭でそう考えていました」

「近くに行ったらだめーっ!」

娘に向かってそう叫んだというAさん。「とてつもなく長く感じた」と振り返る2頭のイヌと対峙。張り詰めた緊張感のなか、茶色の1頭が何かに気が付いたように突然動き出しました。

「即死だったのでは…」興奮状態のままの猟犬に飼い主が近づいた

Aさん
「駆除班の男性が2人、庭に入ってきたんです。猟犬の飼い主でした。茶色のイヌが飼い主のほうに駆け寄っていったんです」

猟犬の飼い主は50代と40代の男性でした。50代の駆除班長が茶色の1頭、40代の駆除班がクリーム色の猟犬の飼い主だと後から知りました。

Aさん
「飼い主が現われても、ネコを咥えた猟犬は興奮状態のままでした。男性はイヌを制するためのリードも持っておらず、猟犬の首輪を掴んでなんとかなだめさせたような状況でした」

猟犬の口から離れ、横たわったネコはピクリとも動かなかったといいます。「噛みつかれて即死だったのでは…」

あまりに突然のことにショック状態のAさんと娘に、飼い主の男性が言い放った言葉が許せないとAさんは語ります。

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