広島県教育委員会は20日、福山市の高校で、修学旅行中に教員が生徒の個人情報が入ったリュックサックを紛失したと明らかにしました。
2年生全員、226人の個人情報が流出した可能性もあるこの「紛失」はどのような経緯でおきたのでしょうか。県教委の会見をまとめました。
県教育委員会(以下「」内は全て)
「この度、県立大門高等学校の修学旅行におきまして、引率教員が生徒及び保護者等の個人情報が入ったリュックサックを紛失するという事案が発生いたしました。教育委員会といたしまして、生徒、保護者、関係者の皆様にご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした。また、事実確認などに時間を要し、公表が遅れましたことにつきましても合わせてお詫び申し上げます」
謝罪から始まった会見で県教委は、まず紛失したリュックサックには何が入っていたのかを説明しました。
リュックサックには何が入っていたのか
「1点目は修学旅行に行った(高校)2年生の、クラス・番号・氏名・ふりがな・性別・及び保護者の緊急連絡先226名分が記載された『名簿』(B4サイズの裏表印刷1枚)です。
2点目は『健康調査票』(A4サイズの冊子)です。クラス・番号・生徒氏名・治療中の病気や受診履歴・乗り物酔いの状況・服薬状況に関する記載内容・アレルギーの内容と健康上留意が必要な事項など、該当する生徒108名分です。
3点目は、学校所有の『iPad 1台』です。記録されているデータは、この度の修学旅行で撮影した生徒の写真160~170枚、約100名分です。
4点目は、当該引率教員の『個人手帳1冊』です。記載されている内容は、入試の指導に関する記録3名分、部活動生徒の記録3名分、保護者との電話記録3名分です。
最後、5点目は、当該校の教職員の氏名、携帯番号が記載された『緊急連絡網』69名分です」
私物であるリュックサックには、このほかにも教員自身のメガネやサングラス、参考書などが入っていたということです。
次に県教委は、教員がどこでどうやってリュックサックを紛失してしまったのか、その経緯を説明しました。

どこでどうやってリュックサックを紛失してしまったのか
「(修学旅行は)10月6日に福山駅を出発しまして、東京方面に向かっております。東京観光を経て、2日目に芸術鑑賞、3日目にはディズニーリゾート。4日目は横浜八景島シーパラダイスで、新横浜駅から新幹線に乗って福山駅に帰ると、いう行程です」
紛失があったのは、修学旅行の最終日である10月9日午後4時ごろ。神奈川県の新横浜駅東口の広場で、参加生徒全員と引率教員らが集まり、修学旅行団の解散式が行われた際のことでした。

新幹線のホームでリュックサックがないことに気が付いた
「(教員は)リュックを下ろして、上着を着るなどのことをして、そこに置き忘れてしまったと。そのままホームの方に上がり、新幹線に乗る直前で『リュックがない』ということに気づいたものの、そのまま新幹線に乗ったという状況です」
新幹線のホームでリュックサックがないことに気が付いた教員。しかし、教員はそのまま新幹線に乗車したといいます。なぜなのでしょうか。

教員はなぜ、紛失に気づきながら新幹線に乗車したのか
「生徒をホームに整列させていることや、新幹線の到着直前であったこともあり、生徒の安全な移動を優先し、そのまま乗車したということです」
修学旅行に参加したのは6クラス224人。生徒全員が無事に新幹線に乗車したことを確認した教員は、教頭に紛失を伝えたあと警察に連絡したということです。
「新幹線の中から(警察に)遺失物の届け出をしたようです。また、現地で付き添いを依頼していた看護師に連絡して、駅のホームでリュックを探すように依頼するなどしています」

当日のうちに学校は県教委に連絡 しかし…
学校は9日のうちに紛失を教育委員会に連絡。しかし、その時点ではリュックサックにどのような個人情報が入っていたのか、特定されていなかったということです。当日県教委が報告を受けたのは、「iPad 1台」「個人手帳1冊」「教職員の緊急連絡網」でした。
「一番重要な『名簿』、『健康調査票』については9日以降も探し続けていたようです。その後、『健康調査表』は16日、『名簿』は翌17日に紛失に気が付いたという状況です」

本人の記憶が定かではなく 管理職も把握していなかった
県教委は「個人手帳1冊」以外は、あらかじめ修学旅行の引率のために認められたものだったとする一方、扱い方については問題があったと指摘します。
「基本的にはそれぞれの職員のカバンやスーツケース、そういったもので運ぶようにはなっております。ただしデリケートな情報をどこに入れていたのか、本人の記憶が定かではなかったという点は、個人情報の意識が必ずしも高くなかったのではないかと思います。
また、今回公表が遅くなってしまった要因にもなるのですが、管理職が、誰にどういったような個人情報を管理させているのかというところが十分把握できていなかった点も問題があったと考えています。
『名簿』と『健康調査表』は2部、修学旅行に持参していて、その1部をこの教員が持っていました」

現時点で個人情報の不正利用は確認されていない…
紛失したリュックサックはいまも見つかっておらず、iPadの位置情報についても確認されていないということです。
「教員は当時、生徒の安全移動を優先したが、結果的に非常に重要な個人情報を紛失してしまった。本人としても非常に反省してるところではございます」
現時点で個人情報の不正利用は確認されていないということですが、県教委は実害が生じることなどがあれば、捜査機関と連携し対応していきたいとしています。
「生徒の個人情報等を記した文書は、紛失、内容の漏洩等がないよう適切に管理され、適切に取り扱わなければならないことは言うまでもないことであり、今回のような事案が発生したことは、県教育委員会といたしまして大変重く受け止めております。県教育委員会といたしましては、現在再発防止策について学校等と協議しているところであり、この度の事案を踏まえた再発防止策について、他の県立学校に対しても周知徹底を図ることで再発防止に努めてまいりたいと考えております」











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