広島県呉市の小さな酒蔵が、海外への販路拡大を目指して東京の商談会にやってきました。持ち込んだのは、社長自ら考案したという「目の前で味わいが変わる日本酒」。積極的に試飲してもらい、手応えを感じたようです。

会場の東京プリンスホテル

10月7日、ここは東京タワーそばのホテル。
全国商工会連合会が主催する商談会「AllJapanSpecialtiesGala」は、今年で3回目の開催です。中小企業や小規模事業者の輸出への取り組みを後押ししようというもので、輸出業者や海外の大使館の職員たちが集まります

高市総理など重要閣僚も会場にかけつけた注目の商談会。そこでビジネスチャンスをつかもうと、全国から90を超える事業者が参加しました。酒や調味料、菓子など。会場は担当者が自社のブースに呼び込む熱気にあふれていました。

広島県から参加したのは、呉市安浦町の「盛川酒造」です。1887年に創業した家族で経営している小さな酒蔵で、「白鴻(はくこう)」という日本酒をつくっています。キレがありながらも香りは控えめで飲むほどに味わいがあるとして、一緒に食べる料理を引き立てる”名脇役”というのがキャッチフレーズです。

盛川知則社長は、自ら考案したある秘策をひっさげて上京しました。その名も「サケ・マジック」。ボトルにぶら下げた木札をマドラーのようにしてかき混ぜると、樽酒のような味わいに変わるという仕掛けです。
木札は樽に使われる吉野杉を使っていますが、軟水仕込みの日本酒だからこそできることだそうです。まずは「白鴻」を一口試飲してもらい、盛川社長がコップの中で木札をクルクル。あらためて試飲した人たちは、一様に味わいの変化に驚いていました。お酒を売り込むブースが他にもたくさんあるなか、盛川社長の作戦は大いに印象に残ったようです。

盛川酒造は国内の販路開拓を続ける一方で、2008年から輸出にも力を入れていて、今回の商談会で知り合った輸出業者と具体的な商談を進める予定です。
盛川社長は「国内外を問わず、まだ白鴻と出会っていない皆さんにまずは知ってもらい、一口飲んでもらいたい」と話していて、世界の”名脇役”に育てるべくこれからも地道に売り込みを続けることにしています。

盛川酒造の盛川知則社長