美術を通じて平和に貢献する作家を称える「ヒロシマ賞」が、アメリカの美術家、メル・チン氏に贈られ、展覧会が始まりました。

「私たちの民主主義の奇妙な花」という作品は、アメリカがベトナム戦争で使った爆弾が同じ大きさで再現されています。一見、爆弾には見えないその姿で、戦争の愚かさを問いかけています。

制作したのはアメリカ在住の美術家、メル・チン氏です。広島市が3年ごとに選ぶ「ヒロシマ賞」に選ばれました。

受賞を記念して、25日から始まった展覧会には、メル・チン氏が半世紀にわたって制作してきた65点が並びます。戦争や環境問題、差別などをテーマに彫刻や絵画など幅広い作品を発表しています。

「招待」という作品は、漫画「はだしのゲン」に着想を得た新作です。原爆をイメージした太鼓の上に立つのは、「ゲン」の作者・中沢啓治(なかざわけいじ)さんの少年時代の姿です。“戦争開始の太鼓”を打たせないように「共に立とう」と私たちに呼びかけます。

第12回「ヒロシマ賞」受賞 メル・チン氏
「国際情勢は極めて深刻です。作品を見て、自分にも何かできると気づいてもらえれば」

「メル・チン展」は、10月12日まで広島市現代美術館で開催されています。