広島で初めてとなる星野リゾートの温泉旅館「界宮島」が、廿日市市の宮島口にオープンしました。伝統文化の再現を担当した地元出身の若きリーダーを取材しました。
「緊張しています、ただ準備はしてきたので、今持っているものを見せるだけと思ってます」
二井翔さん、星野リゾート入社3年目の25歳。「界 宮島」で瀬戸内海の伝統文化「石風呂」担当のリーダーを任されました。先輩スタッフが接客などサービス状況をチェックしていきます。
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「石風呂というのが蒸し風呂の一種でして、自然の岩穴や石造りの密室に蒸気を籠もらせて蒸気浴をするものです」

石風呂は鎌倉時代が起源とされています。海藻や薪などを使った癒やしの場だったそうです。かつて、瀬戸内海沿岸だけでもおよそ80か所の石風呂があったと言われていますが、県内では2016年の閉鎖を最後になくなりました。二井さんも、山口県に残る石風呂に通ったそうです。
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「石風呂流というものがございまして、入浴10分休憩、入浴休憩と小刻みに休憩を挟むことが特徴でございます。この後、一番風呂をお楽しみくださいませ」
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「石風呂の大きな特徴が空間全体が均一な温度で満たされているというところでして、それによって呼吸がしやすい、呼吸をすると汗が出ます、その汗で老廃物などが流れますので」

室内温度は心地よさが感じられるおよそ50度に設定しています。
体験した皆さん、思い思いの場所で過ごしています。続いて二番風呂。途中、先輩スタッフから呼ばれます。急ぎ、機材室へ。
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「ちょっとわからないです。もう少し温度、湿度を変えた方が心地よいと感じたんですかね。いやあちょっと怖いですね、設備面は。いわれてすぐにはいじれなかったです。これから覚えていこうと思います」
休憩時間には地元産のレモン水やジェラートが振る舞われます。体験が終わり改善点など指摘がありました。
まずは、「石風呂体験の意義をどう伝えるか」続いて、「だんらん処での休憩時間の過ごし方」
先輩スタッフ
「全然見ず知らずの組が3組の時にどう団らんさせるかが難しい」
石風呂を体験した岡本昌裕総支配人はー
「石風呂はほんとにこの宿の特徴にもなると思ってますし、日本だけじゃなくて国内外に広く発信していきたいあのそういったハードでもありますので、もっともっと磨いていって体現価値を上げていきたいと思ってます」

二井さんは地元、廿日市市大野出身。学生時代、カナダに留学したことが入社のきっかけになったそうです。
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「現地の人だったり、留学生の様々な国籍の人たちが英語の拙い自分に対して寛大に迎え入れてくれたことがすごくうれしかった記憶が残っていまして、いつかその人たちも今度日本で自分がおもてなしをしたい」
入社後は「界出雲」に配属され伝統文化「石見神楽」を担当しました。小学校6年生の時に廿日市市から東京に引っ越した二井さん。広島には特別な思いがあります。
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「いつか大きくなって地元に帰る、漠然な言葉ですけどそういう考えを持つようになってから東京でも前を向いて暮らせるようになりまして」
念願がかなって先月から「界宮島」に配属となりました。生まれ故郷に恩返ししたい、石風呂プロジェクトのリーダーを任されましたが、まだ25歳.
石風呂担当リーダー・二井翔さん
「プレッシャーはあります。ただフラットな組織文化が根付いている会社だと思っていますので、年齢にかかわらず発言ができますし、挑戦できると言う働き方を体現していきたい」
(開業10日前)
この日は「界宮島」のスタッフが実際に施設に宿泊し前回指摘された改善点など確認します。まず石風呂体験の意義についてはー

石風呂担当・二井翔さん
「今でも残っている石風呂では地域の保存会の方達が消防服を着ながら石風呂の準備をしてその文化を必死に継承しております」
体験したスタッフ
「岩盤浴での違いだったり昔からなぜそこに石風呂があったのか深く知れてよかったなと思います」
だんらん処(どころ)の過ごし方もー
体験したスタッフ
「2回目の休憩で外に出て空気、風にあたりながらゆっくり過ごせる時間があって皆さんと一緒の空間で時間を過ごせたからこそ、自然に生まれる会話みたいなのがすごい楽しめた」
だんらん処ではレモン水やジェラートの提供の仕方も変更し、石風呂室内も温度や湿度を上げ照明も徐々に暗くしていくなど工夫しました。
体験したスタッフ
「扉が閉まった瞬間に一気に音がなくなって石風呂の世界観に連れて行かれたような感覚」
石風呂担当・石田彩乃さん
「その場所、その場所の地形を生かした個性豊かな石風呂が存在しておりました」
二井さんは別のスタッフの接客も見守りました。

石風呂担当リーダー・二井翔さん
「スタッフは皆石風呂が好きでここの体験も好きで、文化を継承したい思いも全員同じ思いを持っているので、そこだけぶらさず持っている言葉でそれを届けることを意識すれば」
開業を控え、二井さんは故郷での飛躍を誓いました。
「今こうして界というブランドで働く中で地域の魅力を掘り出して、伝える仕事を地元でできることを光栄に思っています」
(スタジオ)
声かけのタイミング、レモン水やジェラートを出すタイミングなど検討事項がたくさんあって何度も何度も試行錯誤しながら開業を迎えた。猛暑が続いているが、石風呂は暑い方が入浴の後の外気が涼しく感じられてオススメだそうです。実際、石風呂の予約は、しばらくほぼイッパイとのことです。
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