「おかしいなと思いつつも、息子のピンチだから焦っていた」。乗客の高齢女性の異変に気づき、声をかけて詐欺被害を未然に防いだタクシー運転手の男性に21日、広島東警察署から感謝状が贈られました。

感謝状が贈られたのは、つばめ交通のタクシー運転手・廣兼庸登さんです。

廣兼さんは6月5日、配車を依頼した80代の女性の家にタクシーで迎えに行きました。

家に到着すると、女性は部屋着のまま慌てた様子で出てきたといいます。

「着替えるから待って」

つばめ交通 廣兼庸登運転手
「家にお迎えにあがると、女性が『着替えるから待って』と慌てた様子で話していた」

女性が目的地として告げたのは、広島駅付近にある大きい郵便局でした。

廣兼さんは女性に、近くにも郵便局があることを告げます。しかし、女性は駅前の大きい郵便局でないとだめだと話したといいます。

なにかおかしい…。そう思いながら車を走らせていました。すると…

「今タクシーで向かっている」

向かっている最中、女性は車内で弟に「今タクシーで向かっている」などと焦った様子で電話を始めました。

その様子に更に違和感を覚え、廣兼さんは女性に声をかけたといいます。

つばめ交通 廣兼庸登運転手
「どうされましたか?とお声がけをしたら、『息子が急にお金が要るようになった』と話されていた」

さらに詳しく聞いて行くと…

女性は
「息子が今までお金を無心したことがないのにも関わらず、急にお金が必要になった」
「息子の電話番号ではないが、携帯が水没して別の携帯を使っているらしい」
「早く振り込まないと」
などと廣兼さんに話したといいます。

息子が急にお金が必要になった…駅前の大きい郵便局に行く必要がある…

廣兼さんは、女性の状況が見聞きしていた特殊詐欺の手口と似ていると感じ、目的地にいた女性の弟に、詐欺の可能性があるため、警察へ相談するように話しました。

つばめ交通 廣兼庸登運転手
「弟さんも、詐欺の可能性があると気づいていないようだったので、『高確率で詐欺だと思うので、まずは振り込んだりお金を払う前に警察署がすぐ近いので、相談をしてください』と伝えた」

息子と名乗る人物からの電話

その後、女性らは警察へ通報。

警察が話を聞くと、前日、女性の元に息子を名乗る人物から電話があり、
「携帯が壊れたから知り合いの携帯を借りている」
「昔付き合っていた人と復縁し、子どもができたが、それが相手の旦那にばれた」
「弁護士と相談していて500万円が必要」
などと言われていたことが判明。
廣兼さんは詐欺被害を未然に防ぎました。

女性はその後、つばめ交通を訪れ、「おかげさまで、だまされずにすみました」と感謝をつたえたといいます。

つばめ交通 廣兼庸登運転手
「お客様が危険な事件に巻き込まれる前に、未然に防ぐお手伝いができたことを嬉しく思う」「これからも詐欺だけでなく、お客様が不安に思っていて相談されれば、会社一丸となって事件事故を防いでいきたい」

広島東警察署は、「声をかけていただきありがとうございます」と、詐欺被害を未然に防いだ廣兼さんらに、感謝を伝えました。