多くの人が新生活を始める4月。気をつけたいのが一人暮らしをする女性を狙った犯罪です。その手口や対策を取材しました。

4月8日、広島市内のマンションで面識のない20代の女性に抱きつくなどした疑いで、無職の男が逮捕されました。

男は女性と同じエレベーターに乗り込み、降りた先で抱きつくなどしたとみられています。

こうした女性を狙った犯罪は後を経ちません。女性被害の犯罪分析を行う、広島県警察本部 子供女性安全安心対策室の堀江百恵警部補は、なかでも「女性の一人暮らし」の危険性を指摘します。

注意が必要な「女性の一人暮らし」

広島県警察本部 子供女性安全安心対策室 堀江百恵警部補
「一人暮らしだと、被害者以外に通報する人がいないわけですから、そういった犯罪被害に遭う危険性は一人暮らしの方が高いと思う」

去年、広島県警が把握した女性被害の犯罪件数は1,250件でした。

そのうち、全体の約2割が痴漢や不同意わいせつといった「体を触られる被害」でした。

女性の被害は「一人での移動中」に多発

被害の多くは一人での「移動中」に発生しています。

広島県警察本部 子供女性安全安心対策室 堀江百恵警部補
「午前7時から午前9時ごろまでの通勤時間帯や、午後3時から午後9時にかけての帰宅時間帯が被害の上位を占めています。場所別に見ると、路上での発生が圧倒的に多く、全体の3割を占めています」

では、被害を防ぐにはどうすればいいのか。

堀江さんは、「逃げ場の確保」が大切だと話します。

大切なのは「逃げ場の確保」を普段から

広島県警察本部 子供女性安全安心対策室 堀江百恵警部補
「犯罪に巻き込まれたとき、すぐに助けを求めれるように、人通りが多く明るい場所を選ぶことが重要です。コンビニエンスストアなど、すぐに逃げ込める場所を普段から意識しておくことも大切です」

しかし、どうしても夜遅くに暗い道を通らざるを得ない時もあります。

その際、大切なのは「隙」を見せないことだといいます。

重大事件に発展の恐れも・・・「隙」を見せない行動を

広島県警察本部 子供女性安全安心対策室 堀江百恵警部補
「時々後ろを振り返り、近くに不審者がいないかどうか注意を払ってください。スマートフォンを操作していたり、イヤホンで音楽を聴いていると、周囲の異変に気づくのが遅れ、大変危険です」

被害を未然に防ぐために、堀江さんは「少しの違和感」を放置しないでほしいと話します。

広島県警察本部 子供女性安全安心対策室 堀江百恵警部補
「エスカレートして重大事件に発展する可能性もあるので、少し怖い思いをしたといった事案に遭った時も、遠慮無く110番通報してほしい」

「つきまとい」の被害に遭っていると感じたら?

改めて、一人暮らしの女性が被害に遭わないためのポイントを状況別に紹介します。

まず一つ目は「つきまとい」です。

つきまとわれていると感じたとき、焦ってそのまま帰宅してしまうと、不審者に自宅を知られてしまい、その後ストーカーの被害に発展してしまう恐れがあります。

対策としては、コンビニエンスストアなど安全な場所に逃げ込み助けを求めるほか、110通報をするようにしてください。

オートロック付きマンションでも起きる「共連れ」の対策は?

オートロック付きマンションなどで不審者が後ろについて入ってきてしまう「共連れ」。

こういった「共連れ」を防ぐためには、まずロックを解除する前に不審者がいないか広い周囲で確認してください。

少しでも不安に感じた場合、すぐに入らず、安全な場所に移動してやり過ごすことも対策の一つです。

注意したいエレベーターでの「共連れ」

マンションでの「共連れ」で、もう一つ気をつけたい場所は、エレベーターです。

エレベーターで被害に遭わないために、二人きりで待っている時には先に乗ってもらい、自分は乗らずに逃げるという対策があります。

また、乗ってしまっても自分の階よりも下の階で早めに降り、二人きりを避ける方法が有効です。

エレベーター内で二人きりになってしまった場合は、非常ボタンの位置を確認して、相手に背を向けないことが大切だといいます。

自宅でできるちょっとした工夫

被害に遭わないために、自宅でできる工夫もあります。

「女性の一人暮らし」だと悟られないために、
▽洗濯物は外に干さない
▽表札に名前を出さない
▽外から見えるカーテンをシンプルなものにする
▽外出時や帰宅時に「いってきます」や「ただいま」と声を出す
▽家にいないときもあえて電気をつけて人がいるように見せる
などがあります。

今回取材した堀江さんも「ちょっとした工夫で被害を防げることもあるので、参考にしてほしい」としています。