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広島市や名古屋市などで教員による悪質なわいせつ事件が、相次いで発覚しています。教育への信頼を、揺るがしかねない事態。現場は、どのような対策をとっているのでしょうか?
教員による相次ぐわいせつ事件に、親たちは。
親はー
「やっぱり許せない。何もわからない子どもに対して、言いくるめるというか。幼さにつけ込んでやっている」
親はー
「ちょっと心配ではある。息子だけど怖いなと思うし」
名古屋市では、女子児童を盗撮して画像をSNSのグループチャットで共有したとして教員が逮捕・起訴。グループチャットには、教員10人近くが参加していたとみられています。
また、広島市でも小学校の教室で女子児童にわいせつな行為をしたなどとして教員が逮捕・起訴され、別の児童へのわいせつな行為や動画撮影の容疑で4日、再逮捕されています。
教育現場への信頼を、揺るがしかねない今回の事態。県の教育委員会は、どのように対処しようとしているのでしょうか。
広島県教育委員会教職員課 藤井典之課長
「7月1日付で文科省から通知を受けて、本県でも7月8日付で各県立学校、市町教育委員会に通知を出した」
こちらは、県教委がそれぞれの学校や市や町の教育委員会に通知した内容です。盗撮目的のカメラを設置させないため、教室などの整理整頓、私物のスマホやデジカメでの児童生徒の撮影禁止、といった対策が示されています。
広島県教育委員会教職員課 藤井典之課長
「児童生徒に対する教員の性暴力、わいせつ事案というのは、これまで先生方が積み上げてきた信頼というのを一気に失ってしまう。大変ゆゆしい事態だなと思っている」
では、具体的に学校現場ではどのように取り組んでいるのでしょうか。対策を進める、呉市の小学校を取材しました。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「基本的には全部を見て回る。一つ、一つ開けながら」
児童数705人と、呉市では最大規模のこちらの小学校。通常の教室や空き教室など、約50の教室がありますが、名古屋市などの事件を受け、より注意して見回りをしているといいます。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「今回の事案でいえば、タブレットを置いて盗撮、隠し撮りできるような環境になっていないかというところを見るようにしている。あと、外から見たときに、見えない空間ができないということも気をつけている」
教室には、子どもたちの目の高さの位置にあわせてメッセージが貼られています。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「困ったり悩んだりしたときに、ここか、この先生に言えばいいなとか。こういうところに電話かけられるというのが、普段の生活でも知らず知らずのうちに入ってくる」
ただ、今回のようなわいせつ事案については、通常の教室より特に空き教室の方を注意しているといいます。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「空き教室でカーテンが閉まった状態になっているとか、物がいつもと違う形になっているところは、気をつけて見るようにしている」
無人の空き教室は、やはり人の目が届きにくいようです。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「こういう人の目がないところが、やはり一番そういったことが起きやすいということなので、不祥事を起こさせない環境を作るというのを心がけている」
校内のトイレもカメラが設置されていないか、見回りの対象です。また、今回の県教委の対策では、私物のスマホなどを使った児童の撮影が禁止されました。こちらでは、撮影は学校のタブレットに限り、さらに基本、専用の授業支援アプリを使うよう決めています。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「このツールで撮ると、撮った時点で、もうすぐにここに出てくるが、もうこれがクラウド上にあがった状態になって」
クラウドに保存することで、校長など管理者も見ることができるため、盗撮の抑止力になるのではないかとみています。
呉市立横路小学校 高橋伸治校長
「これまでも私物のスマートフォンは原則、業務で使うことは禁止してきたが、この形が今のところのベストではなくベターじゃないかということで、教職員で意識統一して進めている」
一方、盗撮をするのは教員に限った話ではありません。事件が相次ぐ背景について、専門家は。
広島大学ハラスメント相談室 北仲千里准教授
「盗撮は、若い人も生徒も含めて、ちょっとした冒険とか、いたずら心でやってしまう。それに対して、最近は処罰もされるとかいうことはあまり知られていない。その結果がどんなことになるかということについては、よく知らないまま軽い気持ちでやっている可能性がある」
そうした中、特に教員の再発防止に向けた取り組みとしては。
広島大学ハラスメント相談室 北仲千里准教授
「教員全体、あるいは教員を目指す人全体へのしっかりとした意識づくり、『そういうことは絶対に許されないことなのだ』ということを、まず徹底することが必要だと思う」
広島大学ハラスメント相談室 北仲千里准教授
「変なことをする人がたまにいたときに、誰かが気づいて止めるとか、厳しく注意するとか、とても許されない雰囲気をつくるしかないのではないかと思っている」
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