週明けの14日は上空に強い寒気を伴う「寒冷渦」と呼ばれる低気圧が通過しているため、全国的に大気の状態が非常に不安定となっています。九州地方では、突然激しい雨が降り、ひょうも観測されました。天気が急変して、雷雲が接近した際に、気をつけたいのは「落雷」による被害です。奈良県では先週、痛ましい事故も起きています。
10日には、奈良県で学校のグラウンドに雷が落ちました。サッカー部や野球部などが練習していたところ、中高生6人が病院に搬送されました。男子中学生2人が一時、意識不明の重体に・うち1人の意識はまだ戻っていません。
近くにいた人
「一瞬で雨が降ってきて、雷。逃げる時間はなかったと思う」
顧問の教諭は調べに対し、「雨脚が強くなって練習を中断しようか検討していたところ、ドンと大きな音が鳴って落雷があった」と話しています。
学校で落雷にあって生徒が被害にあったのは、過去に広島県内でもあります。1986年、福山市にある中学校のグラウンドでサッカーをしていた男子生徒が雷に打たれ死亡しました。当時は雨が降っておらず、晴れ間も見えていたそうです。
文部科学省は、奈良の落雷事故を受け、「天気が急変した場合は、ためらうことなく計画の変更・中止など適切な措置を」と呼びかけています。
一方、広島市教育委員会は、明確なルールがあるかどうかRCCの取材に対し、「具体的な判断基準を定めるのは難しい。雷が発生する可能性がある『注意報』で即中断すれば、学校活動に支障が出ること」を挙げています。
雷は場所を選ばずに発生しますが、背の高い人に落ちやすい傾向があります。一方、金属製のアクセサリーをつけているか・いないかは、落雷の危険性とは関係がないことが分かっています。
雷が鳴っている時に木のすぐ下にいるのも非常に危険です。高い木に落ちた雷でも、そのあと人に「側撃」することがあります。これは、人が木よりも電気を通しやすいため、雷が木に落ちても人に流れやすいからです。
RCCウェザーセンター 末川徹 気象予報士
「雷がゴロゴロなっている時に木の下にいるのは大変危険です。2歩以上離れ、距離を保ちます」
電柱や鉄塔など高い場合は、頂上を45度以上の角度で見上げる範囲で、4メートル以上離れると比較的安全です。
RCCウェザーセンター 末川徹 気象予報士
「近くに建物がない時はその場でしゃがみます。かかとをあげて地面との接地面積をなるべく小さくします。耳をふさいで鼓膜がやぶれないようにします」
雷雲の接近を察知して、屋内でやり過ごすのが基本です。建物や車の中は安全だが屋外にいるときは要注意です。灰色の雲が増える・急にヒンヤリした風が吹くことに加え、遠くで雷の音がするということは、すでにその場所は落雷する可能性があります。
自分は大丈夫!と思わず、注意を怠らないでください。
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