今から140年前、広島県の世羅町に生まれた大妻コタカ。
明治・大正・昭和の時代に立ち向かい、
ただ一筋に女子教育の道を切り拓いた、その生涯をたどります。
新しい年を迎えると、コタカさんはいつも、何かひとつだけ実行できそうなことを見つけていました。
つまり、今年の目標を決めて、それを心がけながら暮らすようにしていたのです。
ある年の目標は、ほめ上手になることでした。
きっかけは、婦人会の集まりで尊敬する先輩から、「大妻さんは美人とは言えないけれど、笑い顔はとてもいいわ」とほめられたこと。
その言葉を聞いて、コタカさんはまんざらでもない気持ちになり、
ほめてくれた先輩も、気分が良さそうでした。
そして、いつもにこにこ、笑顔で暮らしたいと心から思えたのです。
ほめ言葉のチカラを実感したコタカさんは、「そうだ!これだ!」と膝をたたきました。
今年は、出会った人の良いところを、その場で伝えるようにしようと思ったのです。
やると決めたら、絵に描(か)いた餅にしないのがコタカさんです。
日々の暮らしの中で、相手をほめるように心がけていたら、いつしかそれが習慣になって、人の良いところが目につくようになりました。
と同時に、ほめることの難しさにも気づきました。
お世辞だと思われてしまったら、言われたほうは、なんとなく嫌な気分になってしまいます。
自分が感じたことを、そのまま素直な言葉にしなければ、相手の心には届きません。
その点、コタカさんの言葉には嘘や作為がなく、もともとほめ上手だったのではないでしょうか。
コタカさんは、ほめることについて、こんな言葉を残しています。
「ほんのさりげない言葉ひとつで、その日が明るくも暗くもなるのなら、ほめ合うことは生きた宝石と言えましょう」
みなさんの今年の目標は何ですか?
まだ決めていないという方は、ほめ上手になることを心がけてみませんか。
世羅町の大先輩、大妻コタカさんの物語はいかがでしたか。
つづきは、また来週
ごきげんよう。さいねい龍二でした。
この企画は、世羅町合併20周年と、世羅町出身の教育者で女性リーダーの草分け的存在・大妻コタカの生誕140年を機に、同氏の生涯を辿るオーディオコンテンツを制作、RCCラジオでシリーズ企画として放送するものです。
■ナレーター さいねい龍二
■ライター 角田雅子
■企画 奥土順二
■ディレクター・音効 石塚充
■プロデューサー 増田み生久
■協力 世羅町、大妻コタカ記念会、大妻女子大学
■写真提供 大妻コタカ記念会
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