26日、広島市で発生した大規模な陥没で、周辺の地下で行われていた工事の施工業者と市が、住民に状況を説明しました。
26日午前、広島市西区福島町の交差点付近で、大規模な陥没が起きました。この影響で、市営アパートを含む周辺の11棟が傾いたりひび割れたりしました。
交差点付近の地下30メートルでは、広島市中心部での浸水被害を防ぐために、雨水を流すための新たな下水管を設置する工事が、シールドマシンといわれる掘削機を使って行われていました。
広島市によりますと、26日の工事中に大量の水がトンネル内にあふれ、数分後に地上の道路が陥没したということです。
地盤工学が専門で、広島大学大学院の 畠俊郎 教授は、「現場は広島のデルタ地帯にあるものの、地下30メートルは土にも一定の強度がある。トンネルを作りながら掘り進めるシールド工法で大規模な陥没が起きるのは特殊な事例だ」と指摘しています。
広島大学大学院(地盤工学) 畠俊郎 教授
「シールド工事だけが原因かどうか分からないが、振動だったり、何かしら変な圧力が水道管の方に作用してしまうと、水道管は加圧していますので、圧力の高い水が噴き出して周りの土砂を流し出して、空洞を急激に短時間で育ててしまったというのはあるかもしれない。上水道の方も老朽化してたのかなっていうのは確証はない、やっぱり地下に埋まっていて見えませんので」
27日朝、広島市と工事を担当する建設業者は、住民説明会を開きました。
建設業者社員
「この度は我々の工事でご心配ご迷惑をお掛けし、大変申し訳ございませんでした」
市と建設業者は避難所の住民に対して、現在進められている原因調査の状況や、当面の宿泊施設、食事・日用品の手配など今後の対応について説明しました。住民からは、避難が終わる時期の見通しや、今後の補償などについて質問がありました。
広島市職員
「陥没か所周辺の復旧および原因究明に全力で努め、当面の生活をフォローさせていただきながら、補償については今後、検討させていただきます」
市と建設業者は今後、それぞれの住民の事情に合わせて、話し合いを進めるとしています。
また、広島市の松井市長も現場を訪れ、工事の担当者から陥没の状況について説明を受けていました。
広島市 松井一実 市長
「今、避難されている方、家が傾いたりとか、この地域で居住できない方の日々の生活の対応をどうするかというのが、当面の課題でありますので、それについてはJV(工事の共同企業体)と役所でしっかり対応いたします」
広島市によりますと、午後4時現在で18世帯38人が、近くの学校や公民館に避難しています。
一部の住民は、建設業者が手配したホテルに移動しました。
避難所からホテルに移動する人
「ホテルがしばらく予約が取れたので、そこに今から移動しようかなと」
Q. 避難所で過ごした一夜はいかがでしたか?
「長かったです、本当に長かったです。寝れなかったのもありますし、寒いなとかも」
立ち入り規制が解除されるメドは立っておらず、被害によっては影響が長期化するケースもありそうです。
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