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みみコミ💬近代日本画の真髄 児玉希望ー千変万化、驚異の筆力展

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radiko:(再)田口麻衣noみみコミ | RCCラジオ | 2024/09/08/日 23:30-23:45
内容:近代日本画の真髄 児玉希望ー千変万化、驚異の筆力展
出演者:広島県立美術館学芸員 神内有理さん

広島県立美術館で10月4日から開催される秋の特別展『近代日本画の神髄 児玉希望 千変万化 驚異の筆力展』について、広島県立美術館学芸員の神内有理さんに伺います。

「驚異の筆力展」。どんな展覧会なんですか?
この展覧会は、広島を代表する日本画家 児玉希望の代表作を展示するとともに、師の川合玉堂や盟友・伊東深水など関係の深い作家の作品も
合わせて、希望芸術を様々な角度から紹介する展覧会になります。

児玉希望 広島の方ですが、どんな画家だったんですか?
児玉希望は、今の安芸高田市の高宮町の出身です。
川合玉堂に学んで、戦前から国が主催する権威ある展覧会でどんどんスターになり活躍をした作家です。
優秀なお弟子さんも大勢おりまして、昭和12年に自ら塾を主宰して、そこからは奥田元宋ら現代日本画家を代表する多くの作家を輩出しております。また戦後には、伊東深水らと一緒に日月社という新しい団体を作り、戦後にふさわしい新たな日本画の創造に邁進しています。
大正、昭和と日本画が非常に成熟したあと、戦争を挟んで衰退し、そこから復活していくという激動の時代に、伝統と革新を追求し続けた画家です。
画風としては、よく「1人の画家が書いたとは思えない」と言われるんですが、それぐらい、非常に幅のある様々な画風を展開しているところが特徴です。

私の中では、色がはっきりとした、重厚な絵のイメージがあるんですけど、幅が広いというのは具体的に言うとどんな作風があるんですか?
そうですね。初期の画業においては、写実性と装飾性を融合したような、それこそ色がはっきりとした鮮やかな風景画の大作で高い評価を受けています。
その後、花鳥画と言われる、鳥や動物を繊細な筆遣いで描いた作品を手掛け、かと思えば浮世絵風の美人画を書いたりして、当時の画壇を驚かせています。
さらに、戦後はヨーロッパ風の明るい色彩の風景画を描くんですが、その後1年間、59歳でヨーロッパに旅立ち、「これからは伝統的な水墨画が新しいんだ」と、さらに抽象画を描いたり仏画を書いたりしました。

《雨晴》1940年 絹本彩色 二階堂美術館蔵

本当に幅広い方で、今いろいろな作品を図録で見せていただいてますが、本当に1人の方の作品と思えないほど幅広く、そのどれもが「うわーすごい」って思わせる力がありますね。
そうですね、なかなかこれだけの画風を描ける作家って、ヨーロッパだったらピカソがいますけが、本当に幅広い作品を描いていて、しかもそれが、決して流行を追ったわけでもなく、あるいはぶれたりなどした結果でもなく、あくまで自らの技術を高めて、日本画の可能性をより広げていこうという、その挑戦の連続が画風の変遷になっているというところがすごいんです。

ヨーロッパに行かれていた頃の作品ですかね、本当に素敵だなと思って拝見していたんですけども、水墨画がヨーロッパの街みたいなんですよね。
フランス山水絵巻という7mの絵巻物が3点あるんですが、そこでフランスを代表する風景を描いています。古典的なちょっと古臭い感じの水墨画ではなく、西洋的な明るさも含んだような、スタイリッシュな新しい水墨画を描いているというところが魅力ですね。

児玉希望《晩春》 1925(大正14)年

こんな言い方おこがましいかもしれないですけど「センスのある方なんだな!」って思わされます。でもどうして今、児玉希望の回顧展をしようということになったんですか?
広島が産んだ偉大な画家・児玉希望ですが、亡くなって50年以上経っていることもあり、知らない方も多いと思います。ですが、希望が持っているこのパワフルさ、スケールの大きさは、今も非常に魅力があるので、ぜひともご覧いただきたいと考えております。

広島のご出身の作家さんということもあるので、これを機会にもっともっと作品に触れてみたいなと思います。会期中は関連イベントも行われるそうですね。
希望の出身地である安芸高田の原田神楽団の神楽の公演や、安芸高田市の特産品販売も行います。

「児玉希望ゆかりの地ツアー」っていうのもあるんですよね。
安芸高田市内に点在するゆかりの地、希望が生まれた場所や、石碑などを回ります。また、希望が中学生の時に家から学校まで通っていた道を歩くのですが、なんと片道2時間ぐらいあります。

ちょっとしたハイキングになりますね。
そうですね。秋の爽やかな天気のもとで、希望についての話だったり、希望が大変尊敬をしていたという、毛利元就の居城跡があったりします。安芸高田市歴史民俗博物館の方にも解説をいただこうと考えております。

このツアー、10月27日なので、ちょうど季節もいいころかもしれませんね。事前のお申し込みが必要ということですので、チェックしてみてください。ワークショップもあるんですね。
希望が水墨画で抽象画を描いたということもあり、水墨画に挑戦してみようというワークショップが11月の9日の土曜日に開催します。

いろんな角度から児玉希望っていう人物を知って見て触れてみて、興味を持ってもらえたらいいですね。

「近代日本画の真髄 児玉希望ー千変万化、驚異の筆力展」

日時:10月4日(金)~12月1日(日)
午前9時~午後5時まで(金曜日は午後7時まで開館)
※入館は閉館30分前まで
※10月4日は10時開場

場所:広島県立美術館

入館料:一般1,500円、高校・大学生1,000円 中学生以下無料(未就学児含む)
※前売・20名以上の団体は当日料金より200円引き
※会期中、本展チケットのご提示(半券可)により、100円で縮景園にご入園いただけます。
●学生券をご購入・ご入場の際は、学生証のご提示をお願いします。
●身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳及び戦傷病者手帳の所持者と介助者(1名まで)の当日料金は半額です。手帳をご提示ください。
【チケット】
●RCCオンラインチケット
●楽天チケット
●ローソンチケット Lコード:62217
●セブンチケット セブンコード:106‐574
●チケットぴあ Pコード:687‐020
●広島県立美術館チケット売り場
●広島市・呉市内の主なプレイガイド

【お問い合わせ】
RCC事業部 082-222-1133(平日10:00~17:00)
広島県立美術館 082‐221‐6246

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