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最高齢モデルは93歳の常連客 高齢化進む地域の老舗衣料品店でファッションショー 企画した店長「地域に楽しさ・元気を届けたい」

広島・東広島市でユニークなファッションショーが開かれました。開かれた場所は地域の衣料品店。手作りのショーを開いた店長には地域への深い思いがありました。

  ◇  ◇  ◇

東広島市志和町の衣料品・贈答品の店「カレンズくらた」。創業111年というこの店は、朝から大勢の人でにぎわっていました。

カレンズくらた 蔵田圭子 店長
「名前を呼ばれたらすぐ歩き始めてください」

店長の 蔵田圭子 さんが企画した、手作りのファッションショーがまもなく始まります。

店の一角はメークルームに―。ショーのモデルを務めるのは、地元の30代から90代までの人たちです。

モデル
「やっぱりちょっとワクワクしますよね」

最高齢93歳のモデル、日出ヤスコ さんは子どもの頃から「くらた」に通っている常連客です。

最高齢モデル 日出ヤスコ さん(93)
「わたしのような年じゃね、ちょっと恥ずかしかったんですが、くらたさんにはお世話になっているんだからと思って」

「カレンズくらた」が創業したのは1913年(大正2年)。地域の店として親しまれてきましたが、最近は衣料品が売れなくなってきたといいます。

カインズくらた 蔵田圭子 店長
「コロナもあってお出かけするシーンがどんどん減っていき、この地域自体が高齢の方が多くなってきて。昔は敬老会に着ていくから、旅行に行くからと服を買いに来てくれていたんですけど」

約6000人が暮らす志和町。人口は徐々に減っていて、65歳以上の割合は44%。東広島市の中で特に高齢化が進む地域の一つです。

幅広い世代を店に呼び込むため、月1回、スイーツなどの企画展を開いたりして工夫してきた蔵田さん。ファッションショーなら、地域の楽しさや元気にもつながると考えたといいます。

カレンズくらた 蔵田圭子 店長
「『こんなに服があるのにお客さん、誰もいないね』という話から、『これだけ服があるんだからいろいろ着てお客さんに歩いてもらったら、すごい楽しいんじゃないかね』となって、やってみようと」

商品の横に設けられた「ランウェイ」。ファッションショーは、立ち見が出るほど地域の人が訪れました。モデルが着ているのは全て店の商品です。

93歳の日出さんはジーンズスタイル。

手作りのファッションショーは何度も大きな拍手や笑い声に包まれました。

訪れた人たち
「よかった。感激しました」
「いなかでこういうことがないので楽しかった。知った人も出るし」

母子でモデル
「すっごい緊張したけれど気持ちいいです。母子でおそろいを着せてもらって」

最高齢モデル 日出ヤスコ さん(93)
「きょう、こうして蔵田さんにやってもらえてうれしかったです。このジーンズ、履いてもいいと思っています」

蔵田さんはさっそく9月に2回目のファッションショーを開く予定です。

カレンズくらた 蔵田圭子 店長
「志和の中でも買い物できるところがあるんだっていうのを知らせたい。みなさんに『あそこに行ったら楽しいことがあるよ。ちょっと元気になるよね』ということが提供できたらいい」

93歳モデル・日出さんと語る蔵田店長

  ◇  ◇  ◇

いかに地域に愛されるお店かが伝わりますね。参加した方のインタビューが生き生きして、みなさん、いい表情をしています。志和は流通団地があって働きに来る人は多いけれど、買い物をせずに広島市や西条などに帰って行くので、なかなか店の売り上げにはつながらないといいます。

楽しいことをする店があれば人が集い、地域の人も元気になり、売り上げにもつながります。きょうのファッションショーで「モデルをやりたい」「モデルが着ていた服を購入したい」という声がさっそく上がっていたそうです。次回も楽しみです。

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