みみコミ💬描かれたのは「心」です!ゆるくてかわいい水墨画の世界「だるまさんといっしょ」(~11/20筆の里工房)

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田口麻衣noみみコミ | RCCラジオ | 2022/10/30/日 17:00-17:15
出演者:筆の里工房 郡司 健太郎(ぐんじ・けんたろう)さん


Q.熊野町の筆の里工房では展覧会「だるまさんといっしょ」が開催中です。どんな展覧会ですか?

主に江戸時代に活躍した禅宗の高僧たちがかいた絵や書など66点を展示しています。禅というと少し硬いイメージがありますが、「だるまさんがころんだ」の外遊びや縁起物として、今の私たちの生活にも身近な「だるま」は、実は、禅と関係しています。禅のルーツは、約1500年前に中国へ禅の思想を伝えたとされる「菩提達磨」(ぼだいだるま)という人物にたどることができるのですが、この人物の坐禅をした姿を模したものが、私たちが日ごろ目にする「だるま」になります。「だるま」を起点に子供から大人まで、皆さんに楽しんでいただけるよう、わかりやすく作品を紹介しています。


Q.チラシを拝見するとほっこりゆるっとしたかわいい絵が多いですね。

禅画の特徴は、2つあると考えています。1つは、「形に表せないことを表現している」ことだと思います。禅では、悟りのこころは、文字や形ではなく、自分の実感の中にあると考えています。そうした禅の考えや教えを絵や言葉で伝えようとしています。ですから、ただ、かかれたものを見るだけではなく、自分の感想をなんとなくでも考えることが大切だと思います。
2つ目は、「プロ」にはない魅力があるところです。今回展示している作品の作者のほとんどは、プロの絵師ではなく、宗教者です。彼らにとって絵や書は、多くの人に「禅のこころ」を伝えるためのツールでした。ですから、上手い下手などにとらわれず、自らの想いが率直に筆に乗り、表現されています。だからこそ、技巧にとらわれない「どことなく」心を動かすものを持っているのではないかと思います。そして、だからこそ、ゆるさや可愛さも現れてくるのかもしれません。

白隠慧鶴 お福粉引歌


Q.筆と墨だからこそ味が出てくるというのもあるでしょうね。さて展覧会には、少し変わった鑑賞スペースがあるということですが?

今回の展示では、鑑賞スペースととのいの間というものを作りました。円相という円が描かれた作品を1点選んで、それを暗く落ち着いた空間で見ていただくための空間です。畳の椅子も用意しました。座ってじっくりと作品を鑑賞して、皆さんの心も整えていただけたらと思います。


Q.郡司さんのおすすめの作品はどんな作品ですか?

私のおすすめ作品は、江戸の後期に博多で活躍した仙厓義梵という禅僧の描いた獅子舞の絵です。
獅子舞とそれを見つめる子供が描かれているのですが、とても生き生きしています。それを非常に少ない筆画で描いていることがポイントです。子供の目は、左右一画ずつ、そして口も2画ほどで描いているのですが、ニコニコした顔が非常に豊かに描かれています。同じ紙面に「きゃっきゃっ」という言葉が書かれているのですが、本当にその通りの表情をしていて、私もつい笑顔になる作品です。獅子舞の頭や毛も少ない筆画なのですが、とても生き生きしています。これは、筆の弾力や墨の濃淡を使いこなすことで生まれる表現です。

仙厓義梵 獅子舞


Q.同時開催の「だるまさんがこーろんだ展」にはどんな展示がありますか?

ここでは、三原市にある極楽寺というお寺がコレクションしている7000体のだるまから選んだ北海道から沖縄までの全国各地のだるま約80点を展示しています。それぞれの土地によって非常にユニークな形や色で表現されていることを一覧できます。また、だるま落としや食品パッケージ、絵本など生活の中に溶け込んでデザインされたものも紹介しています。


Q.最後にリスナーのみなさんにメッセージをお願いします。

だるまさんをきっかけに、禅の世界を表現した筆と墨による豊かな作品をご覧いただけたらと思います。会期中は、毎週日曜日の午後1時30分から学芸員によるギャラリートークも開催しています。作品の見どころをご紹介しますので、ぜひお越しいただけたらと思います。禅ってちょっとわからないけど…という方にもぜひ足を運んでいただけたらと思います。


展覧会「だるまさんいっしょ」

場所:筆の里工房(安芸郡熊野町中溝5-17-1)
日時:11月20日(日)まで開催中 ※休館日は月曜日
入場料:一般800円、小中高生250 円。  
お問い合わせ:筆の里工房 082-855-3010

IRAW掲載にあたり、放送から編集している部分があります。

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