「命失った被害者はやり直しができない」 トレーラーから落下した鉄板直撃 夫を失った妻が訴え続ける安全管理

10年前、走行中のトレーラーから落下した鉄板が乗用車に直撃し、2人が亡くなりました。夫を失った女性が、車を使う事業者に安全管理の大切さを訴えました。

22日、広島市で企業などで車の運転に責任をもつ立場にある「安全運転管理者」が集まる会合が開かれました。

そこに講師として呼ばれたのは、10年前、ある日突然夫を失った松本里奈さんです。

2012年12月、東広島市の国道で、走行中のトレーラーから落下した鉄板が対向車線の乗用車を直撃。

乗用車に乗っていた松本さんの夫・康志さんと同僚の男性が亡くなりました。

乗用車に直撃したのは1枚800キロの鉄板15枚…。

トレーラーに積み上げられた鉄板はたった1本のワイヤーロープで括られていました。

この事故をめぐる裁判では、運転手だけでなく、「事故が起こることを予見できたのに十分な指導、監督をしなかった」と、トレーラーの運行管理者である運送会社の社長の刑事責任も認められました。

松本里奈さん
「管理をする立場はどの業種であろうと関係ないと思う。管理者という名前がついている限り、その管理に責任を負うんだっていうことは、『もしかしたら、今ご自身が思っているより重い責任があるんだ』ということを話していけたら」

松本里奈さん(講演で)
「事故直後は私も一緒に死んだ方が楽なのに、本当に思っていました」

「時間が経てばこういう気持ちも癒されていくのかなと思っていたのですが、それは間違いでした。あの当時の気持ちは10年経った今もほとんど変わらない」

「人は必ずミスをする生きものです。それが分かっているから、より一層の安全管理が必要なんだっていうことを私はこれからも言い続けていきたい」

運転手が積み荷を固定する当たり前の手間を惜しみさえしなければ…、それを会社が指導・監督していれば…。この思いが消えることはありません。

松本さんは、運転前の確認や心構えなどで、そのリスクは十分減らせることを知っています。

講演を聞いた人
「心に残った傷は簡単には消えないというのが、特に印象に残りましたね」

講演を聞いた人
「しっかりと運転管理者として安全第一で仕事をしていかないといけないと感じた」

願いは、「誰もが加害者にも被害者にもならないこと」という松本さん。今後も、活動を続けます。

松本さんは「事故というのは、加害者側は次を気をつけてやり直すことができる…。でも被害者、特に命を失った被害者はやり直しができないんだ」と、強く訴えていました。

ハンドルを握るときに私たちも胸に止めておきたい言葉です。

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