自転車ロードレースのプロチーム、ヴィクトワール広島が今シーズン、絶好調です。トップリーグのＪプロツアーでは珍しい、チーム3連勝を飾りました。その強さの秘密を探りました。

レース直前、ヴィクトワールのチームカーでは作戦会議が行われていました。

西村大輝監督「スタートからね、永井、久保田がアタックして、集団に対して攻撃を仕掛けましょうと。もし、白川は二人が機能してないなと思ったら、最初から行っても良いし、彼らが行ったら追走の動きをフォローするような動きを」

今シーズン、トップチームの宇都宮ブリッツェンからやってきた西村大輝監督と同じくエースとして新加入した孫崎大樹の両輪が機能し、3連勝の快挙。チームスポーツと言われる自転車ロードレースでその強さの秘密とは・・・

チームオーナーで監督も兼ねていた中山卓士GMにとって、長年の悲願だった専任監督の招聘。

西村監督は現役時代、ヨーロッパを転戦してきたトップクラスのライダーで、昨シーズンは宇都宮の監督を務め、今シーズンからヴィクトワールの監督に就任しました。

西村大輝監督「国内外のレース合せて5勝ということを目標に掲げて活動して参りたいと思っております」

国内トップクラスの実力者、孫崎もこの日の会見で…

孫崎大樹「来シーズンはチームが10周年という節目の年に、熱い思いを持った中山GM、学生の頃から選手として第一線を走り、世界を見てきた西村監督、素晴しい環境で出場できることを非常に光栄に思います」

【強さの秘密　その①　週1回のチーム練習】
西村監督「週に1回はチームのみんなで集まってチーム練習を行おうっていうことで。みんなでまとまって走る日を作ることで高めあえる、切磋琢磨できていることが良いところに繋がっているのかなと思いますね」

中村圭佑「そこで西村監督が選手のコンディションをしっかり把握することで、チームのプランに反映して、良いプランが出来ているのかなと思います」

そう語るのは地元・広島出身、5年目の中村圭佑。

中村圭佑「食事も変えましたし、トレーニングも変えましたし、全て環境を変えてそのお陰でちょっと強くなったと思います」

チーム内での役割が急上昇、今シーズンは孫崎の最後の発射台役を務め、孫崎の移籍後の初優勝に貢献しました。

【強さの秘密　その②　西村監督の魅力】
孫崎大樹「監督自身が、僕に限らず、チームメンバー全員とコミュニケーションを密に取れているので、チームワークの良いところにでているのかなと思います」

白川幸希「戻ってきました。ただいまです」

成長し、4年ぶりにチームに帰ってきた白川幸希。一変したチームに手応えを感じています。

白川幸希「すごい選手ファーストな部分もあって、選手想いなので、それに応えなきゃっていう、やらなきゃって言う気持ちにさせてくれる監督ですね」

【強さの秘密　その③　強力な3人の外国籍選手たち】
西日本ロードクラシックに続き、東日本ロードクラシックで優勝したのは、オーストラリア選手権4位の実績があるエリオット・シュルツ。これほどの選手をどうやって獲得したのかというと…。

西村大輝監督「SNSのDMを使ってやりとりをして契約に至ったという」

去年、不運にも身体の複数の箇所を骨折したシュルツ。

シュルツ「ヒロキ（西村監督）が、『今年チームに参加するか？』と声をかけてくれなかったら，私は自転車を辞めていたかもしれません」

強い選手とチームワークの両輪が揃った、ヴィクトワール広島。

孫崎大樹「ロードレースって実は一人では絶対勝てなくて、その中でチームの動きっていうのがかなり重要になってくる要素であって」

孫崎のサポートに回る中村はレース中の孫崎の的確な指示に全幅の信頼を置いています。

中村圭佑「細かく指示してくれます。落ち着いてなあとか言ってくれるので、近くにいたら安心して走れる存在ですね」

東日本ロードクラシックでは、作戦通り、相手の足を削り、12人の逃げ集団に。

西村大輝監督「１２人のうちに２人、孫崎とエリオットが入っているので、良い流れにはなっているかなというところですね」

見事にシュルツが優勝しJBCF史上でも珍しい、チーム3連勝の快挙を成し遂げました。

西村大輝監督「チームとして5勝を挙げようと言うことでスタートしたんですけど、まだ4月の時点で4勝しておりまして、ここから目標を上方修正していこうかと思っております」

創設10年目のヴィクトワールは絶好調。現在、チームランキングでは1位の宇都宮ブリッツエンと僅差で2位につけ、首位争いを繰り広げています。

個人ではエリオット・シュルツが1位、シュルツはトップの証、リーダージャージを着用してレースに挑んでいます。

そして今月は国際レースで海外勢も参戦するポイントの高いビッグレースが続きます。まず、明日8日からは「ツールド熊野」。全4ステージで争います。

さらに19日からは大阪の堺から東京まで、8つのステージで競う日本最大のグランツールレース「ツアーオブJAPAN」が開催されます。ヴィクトワール、悲願の日本一に向け体制は整ってきました。