米の価格が高騰する中、新たなブランド米が広島県北広島町に誕生しました。それが、この「源流米 今吉田」です。
中身はコシヒカリで2kgが税込み1500円…1キロ換算で750円です。一般的なコシヒカリでいえば以前よりおよそ5割高くなった感じです。では、農家にとってはこの価格高騰はどんな意味があるのでしょうか?
標高およそ350m、北広島町・今吉田地区です。
先月29日、「源流米 今吉田」の関係者が集まりました。
隅田英治 さん
「これから出発です。『今吉田』がとにかくブランド化になるように、みなさん、がんばってやりましょう!」
販売開始の出陣式です。去年は一部のコメが町のふるさと納税の返礼品になりましたが、一般販売はこの秋の新米からです。
今吉田地区は、昔からコシヒカリの栽培が盛んな土地柄です。ことしは記録的な猛暑で高温障害も受けましたが、味へのこだわりはかなりのものです。
農家
「青いのがない、ちゃんと熟れとる。いいのができました」
「(コンテストは?)ことし、日本一を狙わにゃどうするんですか」
農家の自慢がコメ作りに使う水です。ミネラルが豊富なんだそうです。山の中のため池から流れ出し太田川の支流になることから、「源流米」の名前をつけました。
そんな米が一躍、脚光を浴びたのが、2年前、地元で行われたコメの全国コンテストでした。
地域おこし団体の役員・隅田英治 さんが出品したコシヒカリが準グランプリに輝いたからでした。
隅田英治 さん(受賞して)
「もしも、そういうことが可能ならばですね、地域が1つになって、ブランド米にしていければと思います」
受賞を受けて、隅田さんが関わる社団法人「北広島デジタル田園開発機構」は、ブランド米づくりに乗り出します。1000万円あまりをかけて精米設備を整備。光選別機は未熟な米や異物などを瞬時に取り除くことができます。
隅田英治 さん
「エアでパンパンと悪いコメがあったら飛ばしていく。品質を上げるためにレベルアップするためにこれ、必要なんです」
そして価格設定です。コメの相場が上がる中、1kg750円は消費者が買ってくれる予想価格の最高額。経費のおよそ半分は農家からの買取り額が占めていて、社団法人に利益はほとんどないそうです。農家からの買取価格は30キロ1万円。去年より4割近いアップです。
武田昌勝 代表
「去年までは農業続けたくないというね、赤字になるばっかりの話も聞いていますので、まあ思い切ってですね、社団法人としては1袋30キロ1万円で買わしていただいて。そうすると、みなさんの所得も上がってくる、後継者も育ってくる、田舎に帰って来て農業続けてみようと、おやじがやっとるのが、なかなかおもしろそうだと言ってもらえるような農業にしていきたい」
農家
「今までが安すぎたね、全然やる気が…。いや助かったよ」
「いかに担い手が次のバトンタッチできる人を作るか」
果たして消費者が1kg750円のコメを買ってくれるのか分かりませんが、農家は、希望を見い出したようでした。
「源流米 今吉田」は今のところ今吉田地区での販売ですが、態勢が整い次第、インターネットでの販売も始める予定です。
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