組織作りには25年かかる。
甲子園優勝監督、迫田穆成の本心である。
広島商業ではスリーバントスクイズ、待球作戦などトリッキーな采配で全国制覇も果たした。そんな名将は、チーム作りを焦らない。むしろ、焦っても仕方がないのである。
根拠はある。
「1993年に如水館高校にやってきて、退任するときに、ようやく良いチームができたと思えたからです」
気がつけば、就任から25年が経過していた。
勝敗だけではない。選手が自分たち考えて、行動するチーム作りである。広島商業は100年の伝統というベースがあったため、監督として早い段階で勝利を手にできた。しかし、ゼロからのチーム作りは「25年」である。
「まず、自分と同じように勝ちたいと考え、試合に向かえる選手を4人作る。その4人が、次の4人に、考えを受け継ぐ。卒業生がグラウンドにくる。社会で活躍する元・球児の姿を見て、中学生チームの指導者が、迫田に安心して選手を送り出す」
ここまでのサイクルである。
迫田の描く図面は、大きい。しかし、焦らない。自分の時代でなくても構わない。次代につないででも、揺らがない組織を作るのが、命を懸けてのミッションなのである。
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