若い人たちもG7広島サミットで発信をしました。世界から集まった報道陣が取材をしていた国際メディアセンターには、平和を願って地元の高校生がつくった作品が展示されました。
各国から集まった報道関係者がニュースを発信する拠点「国際メディアセンター」です。
坂本可織 記者
「世界各国の報道陣が集まるワーキングスペースです。この入口のすぐ横にはさまざまな展示物があるのですが、わたしと比べると、ひときわ大きな地球儀の展示物があります」
メディアセンターの地下のブースに置かれていたのは、直径およそ2メートル、折り紙のバラをおよそ4000個を使って作られた「バラの地球」です。
制作したのは、修道高校(広島市)の生徒たちです。毎年、10月にある文化祭に向けて、1年生の生徒たちが「巨大な物」を作るのが定番になっています。去年、制作したのが、バラの地球でした。
企画のリーダーの 中村獅良 さんです。
中村獅良 さん
「最初のきっかけに学年主任の先生からバラを使った巨大建造物を作れば今までにないものができるよと言われ、バラを使って何をしようと思ったときに、世界の平和を考えたら、地球を丸く作ったら世界は1つとイメージできるかなと思って」
ウクライナ情勢をニュースで見て、平和を訴えるものをつくりたいと、「巨大な地球」を発案したといいます。
中村獅良 さん
「最近の世界情勢が不安定だったりするのを考えて、いいかなと思ったのが大きい」
先生の力も借りながら設計を始めました。
地球をつくるために、まずは大きな発泡スチロールを準備しました。切り出して球体にするのは難しい作業でしたが、世界地図の書き込みは、さらに苦労したといいます。
中尾悠人 さん
「地球儀を見て書いたけれど、大きな発泡スチロールの球体に書こうとしたらユーラシア大陸がで大きくなって、アメリカ大陸がすごく小さくなって、バランスが悪くなったり…」
バラの折り方は複雑です。細かく山折り・谷折り、きれいさにもこだわって作りました。
筒井勇気 さん
「最初は1個の完成体を作るのには3日くらいかかりました。(バラの折り方を)理解するのができなくて、途中まではできるけど、ここが分からんみたいな」
これまで鶴を折ることもできなかったという筒井さんですが、今では…
筒井勇気 さん
「さっきは7分11秒で折りました」
多いときには1人、1日に30個ほどバラを折り続け、貼り付けたバラの数は4000個に!
3か月かけて完成させた「バラの地球」は無事、文化祭での役目を終えましたが…
中村獅良 さん
「G7があるとなって、“平和” という意味では通じるものがあると思って」
サミットでも世界から来る人たちに見てもらいたいと考えるようになりました。その後、外務省などに手紙を書いて、メディアセンターで展示できることになりました。
中尾悠人 さん
「やっぱり簡単には壊したくないと思っていたので、飾られるとなったときはすごくうれしかった」
中村獅良 さん
「1つになっているバラの地球を見てもらって、世界の一体感や『世界が1つになったら美しいよ』と見て感じてもらえたえたらいいな」
飾られた「バラの地球」を見た海外メディアは…。
インド出身
「とてもすてきですね。1つのバラを作るのにとても苦労したのですね」
ドイツ出身
「とても創造的だと思います。高校生が作った作品というのがとてもすてき。アートで意見を込めて、G7のこの場所に飾るのは、いい考えだと思います」
ウクライナから
「ウクライナの旗をここに見つけました」
ウクライナの位置は、生徒の発案で平和を願う国旗のカラーにしました。
ウクライナから
「意図的につくってくれたんだと思うし、心に触れるものがあります。感動しました。わたしたちが唯一、求めるものは平和なのです。戦争が一刻も早く終わり、失われる命が最小限になるように」
生徒たちは、メディアセンターに飾ることが決まってから、バラの修正作業をゴールデンウィーク中も朝から晩まで行っていました。
中村獅良 さん
「もう1回やれと言われたらできないくらい、人生に1回しかできない、がんばったことでもあるし、たいへんだったけれど、楽しかった」
リーダーの中村くんは「この経験を受験など、今後、がんばることの原動力にしたい」と話していました。
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